B Corpの認証を獲得する時と、その後も毎年事務局に収める認証料は、それぞれの企業の売上高に応じて定められている。国によって若干差があるが、日本企業は下記のとおりである。
認証費用は①認証の課程と基準設定、②プラットフォーム・システム料、➂B Corpロゴ等使用権、④ローカル及びグローバルムーブメントへのアクセスに使用される。
①認証の課程と基準設定
認証プロセスは数週間から数か月かかるが、1人の担当アナリストがつき、いくつかのアセスメント項目について深堀したり、30~90分のテレカンを場合によっては複数回行う。最終的に別のアナリストも最終チェックを行う。また基準・アセスメント自体も常に改定を試みており、今回も2022年頃のリリースに向けて大改訂を行っている最中である。高い基準且つ政治・経済・社会情勢にそぐう基準に保つための努力が認証機関であるB Lab(Bラボ)でされている。
B Labは非営利団体だが、6割はこの認証費によって運営が賄われている。
②プラットフォーム・システム料
アセスメントプロセスは自主チェックから提出、3年ごとの再認証全てがウェブ上のプラットフォームで行われる。アセスメントの回答入力のみならず、同じサイズの他社平均とベンチマークして比較することや、自社内の目標管理として、目標と期限などを入力し進捗を確認することもできる。また「SDGアクションマネージャー」というツールにも連携していて、SDGのゴールごとに自社の取り組みを確認することができる。これはアセスメントや採点式ではないが、いくつかのBIAの回答がそのままSDGに移行され、追加質問を答えることによって、どういった観点で更にSDGの取り組みを行えばよいかを認識することができる。
さらに無事認証を獲得できれば、「B Hive」というB Corp認証企業だけのコミュニティサイトにも入ることができるが、そうしたプラットフォームのメンテナンス等の費用が含まれる。
➂B Corpロゴ等使用権
無事認証を獲得すれば、それを印籠に企業はコミュニケーションしていくために、ロゴの使用などライセンス料を払う。そしてB Lab自体もB Corpのブランド認知を上げていくための活動を行うため、その広告宣伝費としても使用されている。
④ローカル及びグローバルムーブメントへのアクセス
①~➂は企業の規模関係なく一律でかかるコストだが、それ以外のお金は全てローカル及びグローバルでの活動に使用される。特に最近はグローバルで様々なムーブメントを起こしているので、それらの源泉となっている。またそうした活動に積極的に一企業として参加することで何か世の中に大きなインパクトを与えたり、変革を起こす一員になれる。
企業によってはなかなかのコミットメントだが、それだけ「認証取っておしまい」ではないのがB Corpということである。
なお、支払いはドル建てで、2023年12月現在クレジットカードでの支払いはできず、銀行からの送金に1か月程時間がかかってしまう企業もあるため、あらかじめ取引先の金融機関と事前に確認しておくことが好ましい。
もし自社でウェブサービスの利用が可能であれば、例えばWiseでは、アカウント開設から支払いまで1週間程度、日本の銀行口座から良心的な為替レートで送金できるサービスもある。