日本で買える B Corp企業の商品

日本で買える B Corp企業の商品

イギリスのスーパー・ウェイトローズでは、ある年の3月の「B Corp強化月間」に、試験的にB Corp企業の商品をまとめたカテゴリーを作ったが、オンラインユーザーがこのページにより長く留まることがわかり、つまり売上増につながる可能性があることから、恒久的にカテゴリーを残すことになったそうだ。

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ウェイトローズ ウェブサイトより

日本での支店や販売代理店等を通して既に輸入ルートが確立されている、B Corp企業の商品をいくつか紹介しよう。

パタゴニア

様々なメディアで「アクティビスト」色を強めているパタゴニア。最近のファッション業界でのサステイナブルな概念、1度きりの流行ではなく、長く着続けられるデザインのコンセプトでも発信をしている。

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パタゴニア インスタグラムより

オールバーズ

原宿に店舗を持つ、アメリカ・カルフォルニア州発のシューズ。自然由来のアパレルラインナップも増えてきている。オンラインショッピングで味わえる、「箱」の世界観にさらに好きになる人も。

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オールバーズ インスタグラムより

ダノン

毎日の食卓にダノンのヨーグルトが並んでいる家庭もあるかもしれない。ダノンは世界55か国にローカルブランド、水、ヘルスケアなど共同出資も含めて数百社規模の子会社を持つ、巨大多国籍企業だが、現在32の子会社がB Corpを取得しており、ダノン・ジャパンもその1つとして2020年に取得した。最近B Corpについての記事コーナーも開設されたようで、今後アップデートが続くかもしれない。

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ダノン ウェブサイトより

ボディショップ

イギリスにブランド本社を置くボディショップも、20か国で事業を展開するが、そのうち14社の子会社と本社合わせてBIAを行い、総合評価でB Corp取得している。日本のフランチャイズ契約をしているザボディショップジャパンは残念ながらこの中に含まれないので認証を受けていないが、消費者にとっては二の次。1970年代から動物実験反対の声を上げサステイナブルな商品を生み出してきた先駆者である。

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ボディショップ ウェブサイトより

イソップ (Aesop)

ボディショップと同様、ブラジルのコスメグループNatura & Co傘下にあるブランドの1つで最近日本でも話題のコスメティック。全国の百貨店などに直営店も持つ。

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イソップ インスタグラムより

パッカ (Pukka)

成城石井などで見かける鮮やかなパッケージのオーガニック・ハーブティー。飲みやすいハーブティーとしても人気で、Amazonのハーブティ売れ筋ランキング1位として出てくる。生産農家と共にサステイナブルなコミュニティづくりにも力を入れている。

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パッカ インスタグラムより

ヌミ (Numi)

成城石井などで購入できるオーガニックティーのひとつ。単なる「フェアトレード」以上のコミュニティづくりに加え、「Hope(希望)」と「H2O(水)」を掛け合わせた「Together for H2ope」プロジェクトで、マダガスカル、インド、南アフリカと幅広く飲み水を確保する活動も行っている。

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LOHACOx成城石井 ショッピングページより 

ブリュードッグ

スコットランド発のIPA(インディアペールエール:インドに住むイギリス人向けに防腐剤の代わりにホップを多く含むビールを作ったことが発祥、香りと苦みが強い)のブリュードッグ。日本ではウィスク・イーが取り扱っていて、六本木にもパブがある他、Amazonや楽天でも購入可能。B Corpは2021年2月に取得、味のこだわりに加えて環境や社会へのこだわりも詰め込まれる。

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ブリュードッグ インスタグラムより

バートン(Burton)

スノボでおなじみのバートンも2019年からB Corp。環境、労働環境、平等、コミュニティへの還元など全方位に取り組んでいる。

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バートン インスタグラムより

コーセラ(Coursera)

東大、イェール大学、スタンフォード大学や Google、IBMなどのトップ企業がプロデュースするコースを無料且つオンラインで受講できる教育プラットフォーム。コロナ禍を経てその社会的に重要な役割を認識、ベネフィットコーポレーションの法人格に変更、B Corp認証も同時に取得した。

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コーセラ ウェブサイトより

カモック (KAMMOK)

2020年4月にBIGWINGにより日本上陸。アウトドアギアとしての使い勝手のいいハンモック。創業者がアフリカのマラリア対策として思いつき、耐久性に優れたハンモックが開発された。売上はマラリア撲滅活動の団体に寄付され、最近は気候変動や若い冒険家の活動などにも再投資されている。

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カモック ウェブサイトより

ドクターブロナー

東急ハンズやロフトで見かける文字の一杯書かれたボトルや石鹸。天然成分由来の「マジックソープ」は、顔から体まで使えるだけでなく、食器や洗濯、掃除と10通りの使い方が紹介されている。容器は100%リサイクルプラスチックを業界に先駆けて採用、石鹸は自然に還ることができ、地球にやさしいだけでなく高い泡立ちと極上の柔らかさを両立させた高品質な石鹸だ。

ドクターブロナー ウェブサイトより

サンバゾン(アサイー)

アマゾン原産の栄養価が高いフルーツで、特に抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれるアサイー。様々なブランドのものがあるが、コストコで使いやすい小分けペーストで手軽に購入できる人気のブランド、サンバゾンはB Corpを取得している。アサイー農家のコミュニティにおいて学校、図書館、スポーツセンター、健康センター等の整備までも行い、識字率向上や健康増進に貢献している。

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販売代理店ニコウトレーディング ウェブサイトより

グアヤキ イェルバ マテ茶

もう1つの南米原産スーパーフード、マテ茶。こちらも抗酸化成分と15種類のアミノ酸を含み、さらに気分を高揚させる効用もある、ナチュラルエナジードリンク。こちらも様々な種類があるが、B Corpを取得した企業が販売しているのが、グアヤキ イェルバ マテ茶。こちらもコミュニティへの貢献と、熱帯雨林再生にコミットしており、2020年までに20万エーカー、東京ドーム2万個分弱ほどの熱帯雨林再生を達成した。

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輸入卸売を行うニコウトレーディング ウェブサイトより

フランク&アイリーン

ロサンゼルス発のシャツブランド。140年以上続くイタリアの老舗メーカーの生地を使用し、着心地の良さが売り。日本にも千駄ヶ谷・日本橋・大阪梅田に店舗を構える。素材は原産地までさかのぼって有害な化学物質を使用していないことが証明されており、職人の雇用も大切にしている。

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フランクアンドアイリーン インスタグラムより

ディバイン・チョコレート

株式の44%はガーナのカカオの生産農家が所有している有限会社。利益の使い道は農家によって決められ、コミュニティの発展のために使われる。フェアトレード商品を扱うfair selectでは、6種類12本のチョコレートバーが味わえる セットを取り扱っている。

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fair select ウェブサイトより

パカリ

こちらはエクアドル産のチョコレート。それまでは海外に輸出されるだけだったカカオを農家と一緒に加工しオリジナルの商品を創り上げた。ディズニーランドが近いオリエンタルホテルのショップ内での販売のほか、国内のスイーツを扱う店舗で材料としても使われている。

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オリエンタルホテル ウェブサイトより

コアラ(寝具)

世界で一番長く寝る動物と言われているコアラ、1日平均20時間も寝ているそうだ。そんなコアラのように深く快適な眠りを提供したいとマットレスをはじめとした心地よい寝具を開発。120日間ものトライアル期間を設け、10年保証でありながらリーズナブルな価格設定と、顧客に優しい商品で、さらに売上の一部はコアラの保護活動に使われている。

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koala.jp インスタグラムより

スカンジナビスク

北欧の自然と暮らしをテーマとしたフレグランスで、アパレルを扱うTOMORROWLANDの一部店舗や百貨店などで販売されている。長年かけて環境や社会によりよい商品へと進化しており、例えばキャンドルは、一般的によく使われているパラフィンからスタート、しかし石油原料の化学物質のため、次にパーム油へ転換。その生産過程がサステイナブルかどうかを測るRSPO認証が存在するが、4つのサプライチェーンモデルの中でも上位2つのレベルに到達しないと意味がないことがわかり、次に豆油に移行した。環境には優しくても欧州における食料としての豆は全て輸入に頼っている現状に満足できず、最終的に北欧原産のアブラナのオイルにたどり着いたそうだ。

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輸入販売取扱ステキ・インターナショナル インスタグラムより

イノセント(ジュース)

イギリス発のスムージージュース。環境負荷を与えないだけでなくプラスの影響を与えることを目標に、売上の10%を寄付、イノセント財団が管理し、寄付先が細かく公開されている。ジュースはセブンイレブン、東急ストアやサミットストアなど一部のスーパーで販売されている。

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イノセントジャパン ウェブサイトより

イリー(コーヒー)

イタリア発祥のコーヒー豆メーカー。2019年にイタリアの会社法におけるベネフィット・コーポレーションとなったが、2021年4月にB Corp認証も取得した。日本では3つのパートナーが組まれており、カフェはサントリーグループ傘下のプロントが運営、有楽町イトシアをはじめ都内、静岡、福岡に6店舗ある。豆は正規代理店のキーコーヒーにより販売、他コカ・コーラとの合弁会社による「イリーイッシモ」というブランドでも販売されている。

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espressamente イリー インスタグラムより

ネスプレッソ(コーヒー)

キットカットやココア味の粉末飲料ミロを扱うスイスに本社を置くネスレのグループ傘下にあるネスプレッソ。日本でも多くのホテルや家庭でカプセルタイプのコーヒーマシーンが愛用されている。カプセルの種類は魅力的でたくさんあるが、それぞれフェアトレードやレインフォレストアライアンスなどの団体と手を組み、責任ある調達を心掛けている。カプセルはコーヒーの鮮度と品質を保つ目的と共にリサイクルして何度も使うためアルミを使っており、過去25年間独自のリサイクルプログラムを実施してきた。日本では2020年からリサイクルできるようになったが、生産された75%がリサイクルされている。

海外で・・・

残念ながら飲料水ボルビックとアイスクリームのベン&ジェリーズは最近日本での取り扱いを終了してしまったが、海外でまた手にすることがあるかもしれない。

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Volvic インスタグラムより
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ベン&ジェリーズ インスタグラムより

もちろん、海外輸入をたくさんすることで排出される二酸化炭素も負の産物だ。B Corp企業を応援し、そのサステイナブルで人間にとって心地よいビジネスモデルや商品を世界に広めるべく賛同しつつ、自分に必要な最低限の量で、長く大切に消費したいものである。