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B Corpなら容易にGRI基準を採用

B Corpなら容易にGRI基準を採用

「容易に」というのは言い過ぎかもしれないが、B Corp認証を行うB Lab(Bラボ)は、企業のレポーティングの国際基準であり日本企業も多くが採用するGRIとも連携し、それぞれの共通点などを見い出し、どちらのツールも相互に使えるようにしている。つまり、B Corpになるための第一歩、BIAをクリアしていれば、比較的容易にGRI基準に則ったレポーティングができる可能性が高いのだ。それもそのはず、2つの見ている範囲はどちらも包括的で、ステークホルダーに焦点を当てているからだ。

B LabとGIAは永らく連携しているが、この度、それぞれの基準の目的は何か、どういった共通点があるか、ガイドと具体的な対比表がリリースされた。

GRIとBIA
B Lab・GRI共同発行ガイドより作成

共通点としては、ステークホルダーに焦点を当てていること、全ての企業が採用できること、包括的であること、そして最高の基準が維持できるようGRI・B Labという独立した団体が管理していることだ。

大きな違いは、GRIは外向けのレポーティング、BIAは実際に行動できているか内向けのチェックリストのようなものだ。GRIではマテリアリティ・アセスメントを行い、自社が課題を特定しそれについてレポートするが、BIAは企業の規模や形態から重要な質問項目が設定され、選択式回答且つ点数が把握できるので、自社がどのレベルにあるのかベンチマークができ、どこの領域をどう伸ばせるかベストプラクティスを知ることもできる。BIAの結果はB Corpに認定されればB Corpのウェブページ上で各分野の点数が公開されるが、どういう取り組みをしているかまでは把握できないので、レポーティングに関してのベストプラクティスはGRIが参考になるだろう。

マテリアリティアセスメント
GRI 101よりマテリアリティの考え方

さらに、GRIとBIAの双方を活用するのにわざわざB Corp認証を受ける必要は無い。BIAは無料でどんな企業も使うことができる。GRIは比較的大企業が採用し、B Corp認証は中小企業が受けていることが多いが、GRIを採用している大企業が、社内規定を変えてB Corp認証を取得するのにはハードルが高くても、BIAを使って社内の取り組みを強化することは今日からでもできる。BIAがSDGsにもリンクしているので、ガイドラインとしては使いやすく、将来的には自然とB Corp認証の基準を満たしているかもしれない。

一方のB Corp・BIAユーザーの中小企業は、大企業の発行するレポーティングにまで手が回らないと考えていたところに、マッピングツールや今後期待できるB LabとGRIのコラボの成果により、自社の取り組みを外部に公開しやすくなり、ESG投資などへの対応もハードルが下がるかもしれない。

今回ガイドと共にリリースされた対比表はエクセルで、GRIの観点からそれぞれの基準がBIAのどの質問項目とマッチするか、またBIAの観点からそれぞれのアセスメント項目がGRI基準の何番にマッチするかを提示。完璧にマッチする「Exact match」、算出方法は異なるが内容は直接的にマッチする「Conceptual match」、部分的にマッチする「Partial match」、大まかにはマッチするが違いも存在する「Impact match」、残念ながら他方にはない「No match」の5つのラベリングもされている。実務者の辞書のようなものとして活用できる。

GRI-BIA-マッピング
GRIとBIAの対比表


今回のガイドリリースに伴い、B LabとGRIのそれぞれの代表がこれら二つの基準の意義をB Labの記事の中で語っている。

B Lab・オススキー氏:これはいい出発点ではありますが、多くの取り組みの一つにすぎません。こうした分野においては組織間で多くのコラボレーションや新しいイニシアチブが活発になってきています。世界が直面している大きな課題であるサステイナビリティの問題に対して、企業がより良い行動をとらなければならない緊急度と重要性からすると、そのエネルギーというのはとても刺激的です。しかし、様々な基準とその使い方について、不明瞭な点が必ずしも明確にはされていません。それが「1つ」である必要はないのです。様々な基準には様々な目的があり、それぞれが果たす役割があることを認識することが重要です。このコラボの素晴らしい点は、GRIとBIAが実際にどう違うかを示し、異なる目的を果たしながら、一緒に使えるということです。

全体像として重要なのは、これらすべての基準が分化のために分化しないことです。可能な範囲で基準を統合し、違いはそれぞれの固有の目的のためだけに残すように設計すべきです。今回リリースしたマッピングによって、将来的にBIAとGRIの間でそれができるようになると思います。

GRI・バック氏:GRI基準とBIAは、組織がその影響に対する責任を認識し、それに対処するための戦略と管理方法を採用できるように設計されています。この段階では、同じミッションを追求する主要なサステイナブル団体が集まり、ツールを一緒に使う方法を明確にすることが重要です。そうすることで、実際にツールを同時に使う側に存在するハードルを可能な限り下げることができます。

B Lab・オススキー氏:このマッピングにより、BIAとGRIを補完的な目的で使用できることだけでなく、2つの間に既に多くの共通点があることが示されました。しかし重要なのは、おそらくもっとあるということです。

B Labでは、このマッピングが、企業に対し両方使うことを検討するきっかけになるだけでなく、B Lab内の目的としても実施できることに期待していました。 BIAを改善し、もっとGRI基準に合わせていくことができるというのを知ることができたのです。今年後半に進めるBIA改訂でこれを反映させることを楽しみにしています。

それ以外にも、カリキュラムや共通トレーニングの開発、社会的・環境的行動に関する企業の説明責任を高めるための政策策定のサポート、特にサステイナビリティ基準について進化し続ける中での基準調整のさらなる機会など、多くの可能性があります。



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B Corp認証のいいところは、時代や世界が求めていることにしっかりと応じ、常に改善を重ねているところである。B Corp認証はSDGsが制定される前から存在するが、今やアセスメントの1問1問がSDGs目標と紐づけられており、さらにその回答をそのまま生かして、「SDGs manager」というツールを使ってより深くSDGsのそれぞれのゴールに対する自社の進捗を測ることができる。
GRI基準は2000年から存在するが、BIAはそれを参照しているし、今後もっと簡単に、相互に変換できるような機能が追加される日も来るかもしれない。

欧米も南米もアジアもアフリカも、商習慣が違っても1つの基準。
大企業も中業企業も家族経営も、規模や形態が違っても1つの基準。
どうせ欧米の基準だから我々には合わないという批判もあるかもしれないが、
違いを乗り越え、指摘し意見を出しながら、国際基準にうまく乗ってみるのもいいチャレンジだ。

SDGsや気候変動問題は世界で取り組むことに意味があるからだ。