B Corpの認定を行う機関であるB Lab(Bラボ)。端に認定を行うだけでなく、B Corp認定取得企業同士の連携を高めたり、よりよい社会を目指すためのイニシアティブ推進や情報の発信など、積極的に活動している。今回はB Labのニュースレターより、2020年の成果を紹介しよう。
(以下、ニュースレターより)
1月:企業向けSDGツール作成
国連のグローバルコンパクトと共にSDG Action Managerを立ち上げ。大中小企業全ての、世界中どこの国でも、SDGsに向けた進捗を把握し、意味のあるアクションを取れるようなマネジメントツールを開発。
3月:世界で最も革新的な団体に
米国ビジネス誌FAST COMPANYによるWorld’s Most Innovative Companies for 2020(世界で最も革新的な企業2020)の非営利団体部門で5位に選出される。ステークホルダー資本主義をビジネス界での話題に挙げたことが評価された。
5月:世界経済フォーラム参画
世界経済フォーラムの社会起業家支援イニシアチブに参加、脆弱で、社会の主流から除外されているようなコミュニティが多国間のコロナ対策の枠組みにきちんと含まれてるかを確認。
6月:情報共有プラットフォーム立ち上げ
B Interdependentという、企業に役立つ情報やB corpコミュニティにおけるリーダーシップ事例など、世界中の企業のための情報共有プラットフォームを立ち上げ。そこからコロナ対策におけるベストプラクティスガイドシリーズもリリースし、パンデミック対策や様々なステークホルダーに対する影響の管理など情報を提供。
7月:反人種差別運動
公式にB Labは反人種差別団体と宣言。人種差別発言・理論・行動についての社内教育、社内システムやポリシーに含まれる人種差別的要素の撤廃、業務や分析におけるホワイトネス(白人主義)やアメリカナイゼーション(米国化)の考え見直し、ゴール・結果・基準において「正義」を中心に置くことなどの活動を行った。
9月:2つのイニシアティブで活動加速
「B Movement ビルダー」を立ち上げ。 これはB Corpコミュニティと共に協力を得ながら、多国籍な大企業が経済システム変革をリードするための新しいプログラム。年商最低約1000億円規模の大企業であるフランス発野菜加工会社ボンデュエール、ブラジルの鉄鋼メーカーゲルダウ、スイス拠点の世界最大香料メーカーであるジボダン、ブラジル最大の小売業であるマガジン・ルイザ(マガル)がリーダーとなって「ステークホルダー資本主義」を推進していく。メンターにはダノンとブラジルの化粧品メーカーナチュラが就く。B Movementビルダーの会社たちは、自社の成長・社内文化醸成・環境や社会へのポジティブな影響を与えながら、ビジネス界の変革のために、顧客、従業員、投資家をリードしていく。
詳細はこちらの記事をご参照
また9月中旬にはB Corp中心に設立されたビジネスネットワークImperative 21の「RESETキャンペーン」をローンチ。健康な地球上でウェルビーイングに重きを置く経済へとリセットする必要があるという認識を広げ、必要性を訴え、機会を切り開くための活動だ。
「imperative」とは差し迫って絶対に必要という意味で、気候変動や人権問題など21世紀の課題に今取り組まなくてはならないという意志が込められている。
そのキャンペーン「RESET」は、様々な弊害を巻き起こしてきたこれまでの資本主義のあり方を一度リセットし、新しいやり方でより良い社会を築こうというもの。
10月:政策提言発行
NPOであるThe Shareholder Commons、B Labのアメリカ&カナダ支部と共同で「From Shareholder Primacy to Stakeholder Capitalism(株主第一からステークホルダ資本主義へ)」という、政策提言を発行。
11月:YPOと共に宣言
2.9万人を超える最高経営責任者たちのグローバルリーダーシップコミュニティであるYPOと共に、グローバル規模でポジティブなインパクトを生み出そうと宣言。
12月:認証プロセス大改革へ
いま世界が直面している課題に対しB Corpコミュニティ内で更なる加速を進めるために、B Corp認証要件について意見募集開始。B corp認証を最初に作った2006年当時と今とでは世界は大きく変わり、これまでにないほど経済システムをよりインクルーシブに、平等に、再生型にしていく必要性を訴え認識していく活動が起こっており、そこに企業がポジティブな役割を担うことが期待されていることから、B Labでは具体的で、意味のある、最低限の必要要件は何かを探ろうとしている。
またCOP25で立ち上げられ、「Net Zero by 2030」活動の一環で、気候変動対策へのコミットメント「Let’s Get to Zero(ゼロを目指そう)」が1周年を迎えた。現在までに800を超える企業が参加している。